渡邊大地さん

渡邊大地さん

やってよかった育児のひとつに"布おむつ"という選択を(前編)

素敵なパパやママのサステナブルな暮らしを紹介する連載「わたしとBare and Boho」。今回お話を伺ったのは3児のパパであり、産後ヘルパー・家事代行サービスや託児サポートを行う「アイナロハ」の代表取締役、渡邊大地さん。自身も布おむつ育児を経験し、多くの著書を発行。産婦人科や自治体などで産前産後の夫婦向け講座を担当している渡邊さんに、布おむつ育児を始めたきっかけや『Bare and Boho』の印象について伺いました。

 

プロフィール

渡邊大地(わたなべだいち)1980年北海道札幌市出身。2011年に産後の夫婦を応援したいと株式会社アイナロハを起業し、家事育児ヘルパーを派遣する事業をスタート。産院で両親学級を開くなど、活動の幅を広げている。著書に『夫婦のミゾが埋まらない』、『赤ちゃんがやってくる!~パパとママになるための準備カンペキBOOK~』、『産後が始まった!』(KADOKAWA)、『産後百人一首』(自然食通信社)など。プライベートでは14歳になる男の子と11歳・7歳の女の子のパパ。

 

ーーー仕事に家事と忙しい毎日を送る中でも、14歳・11歳・7歳の育児を率先して行っている渡邊さん。第一子が布おむつを始めたきっかけを伺うと、意外な答えが返ってきた。

「保育園で同じ月齢の男の子がおむつが外れたという話を聞いて"うちは、なんでおむつのままなの?"と焦ったんですよね。そこで、トイトレ用の布おむつを購入するために慌てて赤ちゃん用品店へ駆け込んだんです。当時は布おむつにしたら、すぐトイレでできるだろうくらいの軽い気持ちでいたのですが、失敗することもたくさんあって。布おむつって、こんなに大変なのか!と(笑)」

ーーーなんでうまくいかないんだろう? なんでうちの子はおむつが外れないんだろう? 自分の思い通りにいかないことに少なからず、ストレスがあったという。

「今思い返してみると、力が入りすぎていたのかもしれませんね。当時はカーペットも片付けて、いつ・どこで漏らしてもいいようにしていたんです。うちだけの話かもしれませんが親が頑張りすぎちゃう時に限って、子どもが失敗してしまうことが多くて……。

それでも1度決めたことだからと日中はもちろん、真夜中でも布おむつを使っていました。真冬の寒い時期、タライに冷たい水をはって、布おむつをゴシゴシ手洗いするのは辛かったなぁ。今思えば、夜だけは紙おむつにするとか、臨機応変に対応すればよかったのかもしれませんね」

ーーーところが、このおむつ替えが育児に対するモチベーションに大きな変化をもたらしたそう。

「大変なことばかりかといわれたら、そうでもないんですよね。例えば、布おむつを替えた時の赤ちゃんの気持ちよさそうな顔って、やってみて初めてわかること。それに、もし自分が1日おむつをするなら、どっちがいい?って考えたら、やっぱり布おむつがいいなと思って。

実際に布おむつを触ってみると紙おむつよりも気持ちがいいし、目に見えてゴミの量が減る。紙おむつを月に1パックも使わなくなるので、節約感が全然違う。月にすると5,000円~6,000円違うのは大きいですよね。環境にもお財布にも赤ちゃんにもやさしい。今となっては、布おむつでおむつ替えしていた時間が何よりも充実していたと感じます」

ーーーそして、2011年には第二子が誕生。自然な成り行きで布おむつ育児が始まったのだとか。

「長男が使ったさらしがたくさん残っていたので夫婦で話し合い、第2子は生後半年で布おむつ育児をスタートしました。当たり前ですけど、新生児は自分でおしっこしたよ~、とは教えてくれないじゃないですか。だからもう、何回、布おむつを取り替えたことか!」

 ーーー夜中、奥さんが授乳している間に渡邊さんが布おむつを取り替える。おむつ替えのほかにも洗濯や保育園の送迎と、2人目からは自主的に育児に取り組むようになったそう。

「男性って"もっと育児をやってほしい" "家のことを手伝ってよ~"と言われても、わからないんですよ。具体的に言わないと(笑)。うちの場合は、妻が授乳している間におむつ替えと汚れた布おむつを洗ってほしいという具体的なリクエストがあったんです。これなら、どちらか一方だけがやらされている感がない。ウィンウィンな関係だからこそ、快く引き受けることができました」

 

「これが実際に使っていた布おむつです。初めて育児に携わったのが布おむつということもあって、思い出が詰まっていて、なかなか捨てられなくて。さらしを折りたたんで前に入れ込むタイプなんですが、ずれてしまうこともあるし、なかなか乾かず、半乾きになっちゃうんですよね。一番安いものを購入したので、デザインもちょっと……。といっても、15年前は高ければおしゃれな布おむつがある時代でもない。今と比べて選択肢が少なかったんです」

 

おしゃれと実用性を両立させた唯一無二の世界観。

つい写真に撮りたくなるのが『Bare and Boho』の魅力

ーーー布おむつ育児をしてきた渡邊さんにとって、オーストラリアで爆発的な人気を誇る『Bare and Boho』は、どういった印象を持ったのだろうか?

「布おむつのカバーって、正面にキャラクターが目立つようについている子ども向けのイメージがありましたが『Bare and Boho』は、めちゃくちゃおしゃれですね! 肌に触れる部分もふわふわで赤ちゃんも気持ちがいいだろうし、普通の布おむつはカバーの中でさらしがずれることもありますが、スナップで留めることができて安心。紙おむつと同じ感覚なんて、すごい画期的」

「1人目に比べて2人目、3人目ってどんどん写真が少なくなっていくから、『Bare and Boho』の布おむつみたいに可愛いデザインだと写真を撮りたくなりますね。夏の暑い時なんて、おむつカバーと肌着でゴロゴロしていたので、もったいないことしたなぁって。おしゃれと実用性が叶う布おむつって難しい気がするんですけど、そこをしっかり両立しているのが『Bare and Boho』の魅力だなと思います」

 

できるだけ子どもと同じ時間を過ごしたいし、できるだけやっておきたい

「結局、1人目は2歳児クラスに上がる前、2人目は1歳児でおむつが外れました。3人目は1番遅くて、3歳くらいだったかな? でもね、3人目がトイレで排泄できるようになって嬉しいはずが、ものすごくさびしかったんですよね。もうおむつ替えできなくなるのかと思うと。

積極的に育児をした2人目、3人目からは"パパの抱っこは暑苦しかった"とか"保育園のお迎えはいつもパパだったよね"と僕がやっていたことを鮮明に覚えていて、今だに言うんですよ。子どもって、見ていないようで本当によく見てる。

子どもだけじゃなく、妻からも"寒い夜中でも布おむつを洗いに行ってくれたよね、ありがとう"と言われることもあって。子育てって大変なことの方が多いけど、今となっては積極的に参加してよかったと実感しています」

ーーー十数年前を懐かしみながら、当時の布おむつ育児を語ってくれた渡邊さん。最後に小さいお子さんがいらっしゃるパパママにアドバイスを伺った。

かけがえのない育児のひとつに "布おむつ"という選択を

「僕が第一子で布おむつ育児を始めたきっかけのように、おむつ外しをしなきゃいけない!とか、そういう気持ちで取り組むんじゃなくて、赤ちゃんにも気持ちよさそうだし、デザインも可愛いから、やってみよっか!このくらい気楽な感じで始めて、しんどかったら紙おむつに戻すのもアリだと思うんです。

最近YouTubeでお父さんが話しかけながらおむつを替えたりする動画も見かけますが、僕の場合は布おむつを替えるだけで精一杯。3人目は紙おむつにしたんですが、最後だったら布おむつをやっておきたかったなって。せっかくおむつ担当だったんだから、体調のチェックやうんちチェックをもう少しやっておいてもよかったと後悔することも多くて。

だからこそ、お父さん・お母さんには、あとになって"もっと子どもと関わっておけばよかった"という後悔をできるだけ、少なくしてほしい! 夫婦でできることをやり尽くして、一生懸命がんばったからこそのさびしさを共有してほしいんです。僕もまだその最中ですが、おむつ替えのようにその時しかできない子どもとの時間を楽しんでいけたらと思っています」

 

写真/吉川綾子 構成・文/川口ゆかり 

撮影協力/Bare and Bohoアンバサダー・CULAFUL

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